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彼女を守る51の方法 5巻 あらすじ・感想・ネタバレあり 帰宅困難 防災を学ぶ

彼女を守る51の方法 5巻 帰宅困難者の7日間に的を絞った物語です。


●三島ジン(主人公:みしま)
就職活動のためにお台場を訪れた際に地震に遭遇。21歳。
●岡野なな子(ヒロイン:おかの)
崇拝するバンドサリヘルのライブが行われるお台場を訪れた際に地震に遭遇。21歳。

 

DATE.40 バリケード
今日は3月3日女の子の日なんだから頑張るとバリケードを作って
暴動の人達が入ってこないようにリーダーのアリサさんを中心に女性達が必死に入口を防御していた。暴動はほとんどの人が面白半分で煽っているようなものだった。

そんな時に妊婦の久美子さんが陣痛がきてしまった。

 

DATE.41 限界
妊婦の久美子さんは、澤田リカと岡野なな子がなんとかするしかなく三人で下着屋の更衣室に行くことになる。
三島ジンは、「絶対に岡野を助けたい」と渋谷の自警団青年団団長62年の野山甚平太(のやま じんぺいた)と中に入って暴徒と闘う覚悟をする。
岡野なな子が電池が切れる寸前に送ったメールは「都帝腑裸輪」という文字で意味がわからなかった。

 

DATE.42 突破
テレビのレポーターが
「一時間ほど前に、ここ渋谷で大規模な暴動がおこりあした。
人々が店舗から金品や商品を強奪している様子がここからも見えます。
009(まるきゅー)の前では多くの群衆が中に入ろうと押し合っています。」
と中継している。

もうすぐ009(まるきゅー)ビルに作ったバリケードが突破されそうで、
女性たちは、アリサさんの合図で逃げるしかないまでになっていた。
バリケードでしばらくは暴徒が入ってくる時間稼ぎができるので、その間に女性達は逃げること。
アリサさんは、女性たちが逃げるための何か作戦があったようだ。

 

DATE.43 出産
澤田リカ、岡野なな子、妊婦の久美子さんは出産が近づいてきていた。
その時、暴動とかそんなつもりはなく、なんとなく騒ぎに参加したサラリーマンに見つかってしまった。
拳銃を持って震えているサラリーマンの銃を取りあげてリカがおもちゃだと思って撃ってみたら本物だった。
サラリーマンは倒れている警察の近くにあった銃を持ってきてしまったとのこと。
腰を抜かしたサラリーマンも出産を手伝うことになった。
サラリーマンの名前は、稲本康夫(いねもとやすお)、妊婦の久美子さんは、鹿野久美子(しかの くみこ)という。みんなで助け合うことになった。

 

DATE.44 再会
やっと鹿野久美子(しかのくみこ)さんが赤ちゃんを無事に出産できた。
三島ジンが、毛布を持って立っていた。
岡野なな子からの最後のメール「都帝腑裸輪」からベティフラワーという下着屋だと解読したジンだった。
外に声が漏れていたために、三島ジンと自警団の人達が入口を守っていたのだ。
12人兄弟のお爺さんが出産のノウハウを持っていて助けてくれた。

やっと岡野なな子を見つけ出した三島ジンは、
「岡野、俺、もう迷ったりしない、助けられなかった人のことを悔いるよりもお前を守ることが大事なんだってわかった」
「もう、この手 離したくないんだ お前が好きだ」と言えた。
妊婦鹿野久美子(しかのくみこ)さんの胎盤も外に出たようで無事ひと安心になった。


DATE.45 天誅
暴動の男たちは、いい女を探しているが、ブスデブばかりしか発見できない。
2階より下は全部ダメでいい女は上にいるぞ!と言いだして、いい女を探すような暴動になっていた。いい女は上にいると男たちは上に向かった。

ブス邪魔だと言われた女性たちはそのすきに外に逃げ出した。
アリサさんの作戦だった。
「マルキューにある洋服を極限まで重ね着して、太って見せられるし見つかっても脱がすのに時間がかかる。
口には、ティッシュを詰めて顔の眼の下には深くクマ、ニキビそばかすを書いて
鼻の穴を大きく書いて眉毛は太く眉尻を下げる!思いっきりブラメイク!
3月3日は女を守るため女を捨てるよ!!」

笑い話のようだが、実際に治安が悪化している状況下でこれは有効な手段である。
男は女を自分の好みかどうかを瞬間的により分ける
その範囲から逃れることは女性が自分を守ることになる。
そして、アリサの作戦では2階3階までの低層階に女を固めた
男達は、「いい女は上の階に逃げる」と錯覚した
その間に逃げることが出来たのである。

 

DATE.46 脱出
澤田リカ、岡野なな子、三島ジン、自警団のお爺さん達、鹿野久美子(しかのくみこ)、稲本康夫(いねもとやすお)で暴動を扇動している不良達と立ち向かった。
マニキュアの除光液を投げつけて対抗して逃げ道を作った。
マニキュアの除光液は、大量に吸うと成分中のアセトンが一時的に気管支炎を引き起こす。
マニキュアの除光液をみつけていた化学メーカー勤務の稲本康夫(いねもとやすお)が考えた方法だった。

逃げられたと思ったのもつかの間で、もっと多くの暴徒がやってきたが、
階段から壁に沿って下に行くしかない。

地下2階でここから出るしかないが完全に囲まれてしまった。
その時、「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」赤ちゃんの声が泣き響いた。
鹿野久美子(しかのくみこ)さんが赤ちゃんにおっぱいをあげた。
「この子はね、さっき産まれたばかりなの、生きるためにこの暴動の中産まれてきたの」
「セックスは子供を残すための行為なのよ欲望を満たして終わりじゃないの」
「あなたも あなたも みんなこうやって産まれてきたのよ」

暴徒を最終的に抑えたのは力ではなく小さな小さな命だった。
これは暴徒を抑える方法ではない。人間の狂気と良心についての希望の寓話である。

皆は、無事に地下2階から出口の扉をはずしてビルの外に出ていけた。

 

DATE.47 それぞれの旅立ち
3月3日午後3時13分 渋谷
暴動発生から4時間 自衛隊が治安出動した(武器所持体制)
首都圏が被災した場合、北朝鮮などからの侵略を事前防衛するために
国内暴動は徹底的に鎮圧する必要がある。

久美子さん赤ちゃんは、自警団のお爺さん野山甚平太(のやま じんぺいた)さんが避難所に入れてくれるとのこと。
アリサさん達も不細工な顔のままやってきて無事だった。
シングルマザーだった久美子さんは、稲本康夫(いねもとやすお)さんと一緒に避難所にいくことにした。


澤田リカもユースケと会うことが出来た。
ユースケは横浜から川崎までは原動機付き自転車で来てそこから先は歩きだったので時間がかかったのだ。
リカはユースケと幼馴染でバカだけど大好きなのだ。

二人で横浜に帰えることになった。

岡野なな子から貰った手作りの人形(ギンナンで作ったヘンテコどらえもんみたいな人形)をまだ机に飾ってあると言う三島ジン。

三島ジンと迷子のまりんちゃん、岡野奈々子は、渋谷を去りラストステージ新宿へと向かった。

 

DATE.48 新宿
渋谷を出てから明治通りを歩いて神宮前→原宿→千駄ヶ谷→あたりも次第に暗くなっていく。新宿を抜けたらもうすく三島ジンと岡野なな子の街 早稲田(わせだ)に着く。

靖国通りが凄い騒ぎになっていた。
通りは縁日のようになって屋台で食べ物を売っていた。被災者に安く提供していた。
新宿では、やくざが仕切っていて
「理由なんていいよ!絶対喧嘩すんなって言ってんだよ!渋谷みてえなことになってみろよ「ああ、やっぱり新宿は」って言われちまうんだよ」
と普段は悪いやくざの組織だが、任侠心で暴動にならないようにしていたのだ。

街頭では、
「東京は我々のふるさとです。
このかけがえのないふるさとを新宿から復興しようではありませんか。」
と呼びかけている人達がいた。

三島ジンは、
「東京がふるさと。そんなこと考えたこともなかった…。」
「人間って案外強いのかもな」と思う。

岡野なな子にむかって「俺達さ、大丈夫だよな」と笑いながら言うと、
「うん」「きっと大丈夫だよ」と笑いながら返事をする岡野なな子と手を繋いでいた。

 

THE LAST DATE
5年後

岡野なな子はお母さんの仏壇へ手をあわせてから出勤している。
病院で、関西弁のお爺さん(阪神淡路大震災サバイバー)と再会したが、お爺さんは元気なようで良かった。
母の死、仮設住宅くらし、5年後の今年ようやく准看護師1年生になった。

迷子のまりんちゃんとは、早稲田の避難所で一か月一緒に暮らして、
その後に、まりんちゃんの父親が見つけに来て、別れはちょっと悲しかったが、
今でもたまに会いに来てくれる。
美少女になったけど、まりんちゃんの毒舌性格はあまり変わらない。
そして、ゴスロリになって、なな子のことはオバサン扱いしてる

澤田リカちゃんとユースケ君は結婚して今ではお母さん。
今でも岡野なな子とリカちゃんは仲良し。

久美子さんは奇跡の母として新聞テレビをにぎわしたが、
出産の時に助けてくれた稲本康夫(いねもとやすお)さんと結婚した。
なんだかみんな幸せみたい。

三島ジンは今は建物を作る建設関係の仕事についていた。
「震災前の街はいい加減すぎた 耐震強度偽造なんて当たり前
古いままの首都高速に気休めの補強したり、給水塔が屋上についているような古いビルになんの対策もしない そのせいで何万という命がなくなったんだ。」
「絶対に手抜きしないで強い街を作るんだ。」
と決意して忙しく働いていた。

 

三島ジンと岡野なな子は、同棲中。

三島ジンのお姉さんにも紹介済みで公認の仲になっている。
二人で住んでいる部屋のテレビ周辺は、
亡くなったカズオさんのポスターやカズオモデルギター、ジャンパーグッズで全部カズオさんになっていた。今でもカズオさんを偲んでいる。

 

なな子は、「他人に何か言われても気にしない!」と言えるように強く変わっていた。
ジンのそばには頑張って勉強しているなな子がいる。

三島ジンと岡野なな子は、二人とも変わったのは、
「私達、色々な思いしたから、多分、51個くらいしたから」

と岡野なな子が三島ジンに言うと
ジンは「51ってどこからきたんだ?」
なな子「そんなのテキトウにきまってるじゃん ほら八百屋みたいなもんよ」
ジン「本当、お前テキトウな」
なな子は「テキトウ上等」と大きな口をあけて笑って言った。

テキトウと口では言いながら僕らは必死に生きてる。
5年前に失われた多くの命と共に。

なな子が作ってジンにプレゼントした小さいヘンテコドラえもん人形と
ジンからなな子が貰ってお守りにしてた制服のボタンは、今も大切に置いてある。

おしまい 

 

彼女を守る51の方法 全5巻 

作者:古屋兎丸 各巻末の解説は防災・危機管理ジャーナリスト渡辺実

感想
見出しのDATEはデートと日付の二つの意味がある英語ですが、
全編通してDATEとして書いてあることから考えると
大変だけど二人の心をつないだ貴重なデートだったってことかな?
51ということには、恋という意味の51(こい)に引っかけての51かな?とも思います。

大変な状況で苦しい時も彼女を守ろうと思う気持ちを持って、
正しい行動をすることは大事ですよね。
もしもの時、デートの時に彼女を放り投げて一人で助かろうとするような男では困るよね。という考えも作者にはあったのではないのかな?
最後には安心の結末で本当に良かったあ~。

東京の大震災を設定しての漫画ですが、
総理大臣も地震対策委員会も地震評論家も出てこないまま、
作者は「帰宅困難者の7日間」に的を絞り
作者も読んでる人も一緒に歩いていく視線で進んでいきます。

東京タワーが微妙に曲がっているのは、
近年につけた地デジアンテナの重みのせいだとか知らなかったです。

 


■持っていると良いもの
避難所に貼られる安否を確認するための伝言メモに活用できる筆記用具等
メモや筆記用具、ポストイット、できれば水濡れに耐えるものを持ち歩いておくのも良い。
水濡れに耐えるものは、なかなか用意してないものです。

会社にディスクやロッカーがある人ならば、会社に1つセットしておくのが一番良いかもしれない
です。


■確認したほうが良いもの
防災マップ(地盤のゆるさや火事の危険度が書かれている地図)
中央防災会議をはじめとする内閣府防災情報HP
http://www.bousai.go.jp/