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本で読めない小説「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」作者:深沢七郎

本で読めない小説「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」作者:深沢七郎

最近、三島由紀夫の没後50年の企画で特別本等が出版されたことで、
三島由紀夫の話が書かれていて、
そのなかで本になっていない本のことが語られていることがいくつかありました。

作品が皇室を題材して問題があった小説ということで、
右翼が起こした事件とのからみで「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」作者:深沢七郎
という作品があると書かれている記事を見るようになりました。
本になっていない作品として、もう一つの作品が、
書籍化されていない小説:大江健三郎の『政治少年死す―セヴンティーン第二部』だそうです。


「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」は、私は全然、知らなかった小説だけど、
殺人事件があった影響で作者の深沢七郎の全集にも収録されておらず、
本として発売されたこともない作品です。

雑誌「中央公論」1960年12月号にただ一度だけ掲載された短編小説なので、
出版物がほぼないので今でも本では読めない作品という紹介に興味を持ちました。
作者の深沢七郎『楢山節考』で中央公論新人賞を受賞してデビューしています。


現在は、2011年から当時の関係者親族が電子書籍で正式に発売しているので
誰でも読むことが出来ますが、
本では売っていないので一般人は読めない作品となると読んでみたくなりませんか?(笑
どんなものなのか?ちょっと読んでみたいという好奇心が出たので読んでみました。


当時、問題になった風流夢譚事件は、「嶋中事件」と言われてます。
1961年、掲載した『中央公論』の当時の社長:嶋中 鵬二(しまなか ほうじ)宅に
17歳の右翼少年が押しかけて殺人事件が起こってしまいました。
社長は不在でしたが、雅子夫人が重傷を負い、家政婦さんが殺されたことで社会問題となりました。
作者の深沢七郎は、しばらく逃げ隠れしなければなりませんでした。


右翼系の三島由紀夫は、「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」を推薦していたり作品としては評価しています。
その関係からなのか、三島由紀夫も右翼から一時、狙われていました。
三島由紀夫は、どちらかという右翼側なのにね~。


「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」という題名通りに
「これは、夢ですよ」と言って「夢でした。」で終わる話ですが、
なにやら途中で革命が起きて昭和天皇一家が殺される夢を見たという夢の話です。
12ページの短編小説なので読むというよりも、さらっと見て終わる作品です。


わざと皇室を取りあげてブラックにしたブラックコメディ漫画みたいな内容だから
過激な表現だけど、革命というか・・、革命までいかなくても、
お祭り気分の浮かれた気分での見学していることや、それに乗っかるだけの大衆に、
革命行動の馬鹿らしさって、ほら、滑稽でしょうと言っているようですし、
問題の首切りシーンは、フランス革命になぞらえて作品に入れたようですが、
皇室をひっくり返しても革命なんて何の意味もないんじゃないか?夢みたいなものだろ?
頭にウジ湧いてるみたいなものさ、で〆てる話だと思うです。(勝手な感想ですよ(笑

>「革命ですか、左慾《サヨク》の人だちの?」
と作品に書いてあるくらいなので、作者は左翼でもないと思うのに、
右翼の少年には、天皇一家の名前を出しただけでNGで、そんなことは関係なかったのでしょうかね。。

ただ、現実の皇室の人達の名前をを登場人物にすることは別にしなくてもよいことで、
あーあ、こんなこと書いちゃって問題になるよなあ~、みたいな印象ではあります。
現代じゃなくて、時代を変更して名前を変更するだけでも良かったのではないかと思いますが、
現代に存在する人を登場させることでもっと強いインパクトを与えられたという意味はあるのでしょう。

皇室一家が公の公人だから自由に作品の表現に使ってもよいのだという主張があったとしても
こういうことで皇室一家を題材にしなくても他の方法がありそうだし。。

物語は、あっちでは勝手なことして、こっちでも勝手なことして、
お祭り状態のなかをガチャガチャと音楽流して盛り上がって

取り留めもないことやってるだけで、ぐるぐる回ってるような
最後は夢でした~変な夢だったのさ~という夢落ちの話なのだから、
イワン皇帝とか適当な名前の登場人物にしておけば、
「これは、風刺話です。」程度で終わって、終了だろうにねえ・・(苦笑。

題名の「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」は、
英語題名だと
「Tale of an Elegant Dream」「The Story of a Dream of Courtly Eleganc」らしい、
ちょっとカッコイイ題名だと思いますが、作品はエレガントじゃないよね(笑

「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」が香港映画の題名だったら、
カッコイイ映画になりそうなのになあ~(笑

 

「風流夢譚(ふうりゅうむたん)」という小説そのものよりも
その後の事件に関係した出版社界隈の人達の裏話や、
電子書籍化する時の苦労話のほうが、読んでいて面白かったと思います。


絶版本を電子書籍として売るというのは、作品としてこの先も未来にずっと残すことが出来ます。
資料的なものとして後世に残すという価値もあるだろうと思います。
図書館も資料保存として大事ですからそれはそれとして、
作家さん達に少しでも収入が入るならば、その方が助けになるわけですし。。
民間でやれることならば、そのほうが良さそうです。

 

 


幻の小説「風流夢譚」を電子書籍化した理由
http://magazine-k.jp/2011/12/14/furyu-mutan/

■絶版本をアーカイブして売る
http://magazine-k.jp/2010/09/21/archiving-out-of-print-books/

■志木電子書籍
http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/

■志木電子書籍 Plus+ 誰も通らない裏道
『風流夢譚』 深沢七郎著
http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/digitalbooksseries/furyumutan/

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