■萩尾さん自身も 幼い頃から、母親との葛藤を抱えていました。
○萩尾望都インタビュー
「普通の子とは違う」と言われて認めてもらえず
漫画家として活躍するようになってもそれは変わりませんでした。
どうして、こんなに通じ合わないんだろう。言葉は大体通じ合わないって。
親の価値観と私の価値観と全然違う。
これは もう使ってる言葉が違うんじゃないだろうか?
見ている世界が全く違うんじゃないだろうか?
もしかしたら、私は、あのぉ 宇宙語を使ってしゃべってるのかもしれない。
もしかしたら 私は人間じゃないのかもしれない。
それだったら、諦めがつくなぁと思ったんです。
それで、その突然、親と全く理解しあえない親子の話を
そうだ、片っぽを動物にしちゃえって思いついたんですね。
■40代になってから萩尾さんは 母との関係をテーマに「イグアナの娘」を描きました。
○萩尾望都インタビュー
この作品(イグアナの娘)を読んだ母は…。
子どもの頃の 母と私のエピソードが出てくるもんで
母は… 何か分かんないけど
「お母さんはね あれば読んで泣いたったい」っていうんですよ。
「あ すいません」(萩尾さんが母親へ)とか言って。 うん…。
といってもやっぱり
「漫画 やめなさい」って言うから、それとこれとは別なんですね。 うん…。
■「イグアナの娘」のラストカットには、どんな意味を込めたのでしょうか?
○萩尾望都インタビュー
これはですね
あの~こんなふうに苦しみが流されたのは
主人公の あの~リカちゃんの方、イグアナの方だけなんですよね。
お母さんは死んだから何も聞けないけれど
きっと お母さんは 無念のまま死んだだろうな
と彼女は思ってるんです。
(NHK)下に小さく描かれている あの小さな生き物は?
トカゲ。 それ お母さんですね。
(NHK)そうなんですか?
あ イメージとしては。
人間になりたかったお母さんの正体ですね。 はい。
2021年1月2日『100分 de 萩尾望都』NHK Eテレ萩尾望都インタビューより
新春スペシャル番組『100分 de 萩尾望都』NHK(Eテレ)
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/2021special/index.html
『100分 de 萩尾望都』失敗したりダメだったりする子に、心があると思っていないんですよ。
https://www.jmangasuki.com/entry/2021/01/05/182732
『100分 de 萩尾望都』SF少女漫画「ここではないどこか」を描く
https://www.jmangasuki.com/entry/2021/01/05/171444
『100分 de 萩尾望都』「残酷な神が支配する」萩尾望都の父親の描かれ方
https://www.jmangasuki.com/entry/2021/01/04/230623
『100分 de 萩尾望都』 NHK Eテレ 感想1
https://www.jmangasuki.com/entry/2021/01/03/222523
『100分 de 萩尾望都』 NHK Eテレ 感想2
https://www.jmangasuki.com/entry/2021/01/04/173451
『100分 de 萩尾望都』 NHK Eテレ 感想3
https://www.jmangasuki.com/entry/2021/01/09/165429